新社屋建設記

大匠建設では福岡県で第一号となるCLT工法を使用した工法で新社屋を建築いたします。

CLTとは木を組み合わせて作られた厚みある板材で、国産材を利用し国内の森林環境を生かしたCO2の発生を抑えた材料になります。また、材料自身も100年は保つと言われ、建て直し時にでも材料は再利用でき、環境に非常に配慮されたものとなります。

環境を生かし、エコに対する取り組みから環境に配慮した社屋を建てるようにしました。


 内覧(2017/3/8現在)

建築経過

CLT工法とはこちらから(外部リンク)

新社屋建設

自然環境を守り 未来を創る

福岡県初 CLT工法による新事務所ビル建築
大匠建設新事務所建設において CLT工法を採用した報告

新聞記事

木材新聞

私たち大匠建設は環境経営を主軸に「自然環境を守り 未来を創る」をスローガンとして営業活動をしています。その成長計画過程で 事務所の移転を10年ほど前から 検討していました。4年前に長崎の某ホテルにCLTを使いたいので 調べてほしいと顧客様より 依頼があり、そこでCLTを知りました。当時CLTでのアパート建設など検討しましたが、高額の為断念していました。そんな中、昨年「次世代林業基盤づくり交付金」というのが決まりCLT工法に補助金が出る事を知り、早速申込み受理された次第です。それでは CLTとは何か説明します。CLTとは CROSS LAMINATED TIMBARの略称です。直交集成板 挽き板を繊維方向が直交するように 積層接着したパネルです。特徴として

  • 厚みが確保できるため、強度や寸法・安定性・断熱性などを確保。
  • 工場で加工できるため工期の短縮が可能。
  • コンクリートより軽いため 建物の軽量化が可能。

今後の可能性

欧米ではマンションや商業施設等の壁や床に普及。中高層建築物等にCLTを活用する事で新たな木材需要の創出が期待されています。

CLT工法に補助金が採用された背景

2030年の削減目標のためには 業務その他部門からCO2の排出量の4割削減が求められている。CLT等に代表される新たな木質部材による建築技術は確立しつつあるが、CLT等の使用が建築物の省エネ・省CO2に与える影響について定期的なデータが得られていない。そこで髙い省エネ・省CO2につながる低炭素建築物の普及を促進するため、CLT等を用いたモデル建築物を建設し、その断熱性能をはじめとする省エネ・省CO2効果について定量的に検証を行う。

CLTの特徴

森林の再生

戦後植林された木材が伐採の時期を超えています。しかし日本の建築業界は海外の安い木材を大量に輸入し使ってきました。その結果 海外では森林破壊が進んでしまいました。国産木材は価格が合わず 林業は衰弱しているのが現状です。
日本の国土の75%が森林です。森林は再生可能エネルギーです。
CLTによる建築は大量の木材を使用します。今回は南九州産の杉材です。これで森林の再生が進み(植林・保育)が進み、循環型利用が図られます。森林が再生されていけばCO2を大量に吸収しまた保水力も高まり災害も減ります。

都市に”森”創り(エコロジカルな都市環境の整備)
木は、空気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、体内に固定します。CLTは、これまで木材があまり使われていなかった中層・大規模建築物にも使用できる新しい素材です。都市に、大量の木材を使用する事により、CO2を長期間固定する事になり都市の中に森があることと同じ効果が期待できます。木材は温かみがある素材です。コンクリートや鉄と比較すると、人に優しく、都市に潤う意を与え、快適な生活空間を提供します。

優れた断熱性と準耐火構造

木材はコンクリートに比べて10倍、鉄と比べると400倍以上もの高い断熱性を持っています。CLTは厚みを持った材料なので、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現できます。 断熱材は一切使っていません。コスト削減になりました。また木材は燃える材料ですが、一度火がついても炭化層が形成され内部まで燃えません。今回燃え代設計していますので、準耐火構造となります。木材は1分間に約1㎜燃えます。CLTは厚く、構造的な暑さに6㎝プラスで60分耐火構造の材料として使用できます。

地震に強い

CLTは材料そのものが頑丈で、構造的で安定性が高い建物が建てられます。振動台実験による性能検証が行われましたが、阪神・淡路大震災を再現した揺れに対しても大きな損傷はなく、高い耐震性が実証されました。

高耐久性と防蟻

CLTの特徴として耐久性が高い コンクリートは50年。一般木造は30年とするとCLTは100年以上は耐久性が落ちません。昨今、伝統建築の木造が見直されています。コンクリートより耐久性がいいため名古屋城も木造で再建築されるそうです。又ホウ酸塗布による 防蟻処理をしています。
このように環境に優しく高性能であるCLT工法を自社ビル建築に選びました。私が考える よい経営環境をつくる事の一つとして 生活の半分以上の時間を拘束している事務所が、快適で災害に強く長く使える場所であることが大切です。
阪神・淡路大震災や東北大震災・熊本地震で いろんな倒壊した建物を見てきました。 この先も南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況です。もし震災がおきた時に事務所から逃げないといけない場所か 震災の時に避難できる場所か どちらを建てるべきかを考えました。もちろん事務所は避難場所であり命を守る場所でなければなりません。また快適な環境をつくるために 杉材等は温かみや安心を与えてくれます。木育という言葉あるように人を落ち着かせてくれます。事務所の電気代は太陽光パネルを20kwを設置して賄います。震災時の蓄電器として電気自動車が9台あります。窓ガラスは複層ガラス 照明はLEDを採用 水は井戸水と水道を利用しました。低炭素で低ランニングコストの事務所ができる予定です。

未来を創る

100年後の地球はどうなっているでしょうか? 温暖化が進み、化石燃料が枯渇、異常気象による食糧不足、超高齢化社会による税金不足、廃炉となった原発の廃炉費の負担、 等不安な要素ばかりです。
「私は生きていないから関係ない、何をしたらいいかわからないから関係ない」などの発想していませんか?今の時代の主役は誰でしょうか?99.7%の経済を占める中小企業ではないでしょうか? 今できる事を未来のために出来ることをやる。この問題は社員との共通の問題です。社員とも話し合い未来に何を残せるか?その答えがCLT工法でした。CLT工法は大量の国産杉材を使っています。耐用年数は未知数ですが100年以上は持ちます。100年後 解体するときに解体手順書があればきれいに解体でき再利用ができます。また再利用しなくても、チップにして燃料として使えます。未来に産業廃棄物ではなく 資源を残せるのです。コスト的にも建築費用を耐用年数で割り解体費用と産業廃棄物がどのくらい出るか計算すればかなり安くできます。
これからも未来に何を残せるか?真剣に考え社員と語り合いそして実行していこうと思います。

新事務所ビルは自社で施工し、設計は同友会のブルクさんにお願いしました。
福岡県初という事で、いろいろなトラブルや問題がありました。CLT工法の施工はたくさん改善策があり、それを社員と考え 学び解決していくことも大きいな収穫となり自信になりました。見学会も初めてですが、それ自体が勉強であり成長です。(2017年1月現在で100名ほど見学者が来て頂きました)CLT工法の先駆者となりノウハウをつかめた事は何よりも将来の大きな営業力になると思います。同友会で学ぶこと。改善する事を覚え、たくさんの会員さんの協力を得て工事しています。まだ完成まで 気は抜けませんが、怪我なく安全に工事を進めて行きたいと思います。


平成28年11月2日 晴天
本社ビル新築工事の基礎杭着工
やっと始まります。
福岡県で第一号となるCLT工法を使用した工法で建築されます。CLTとは木を組み合わせて作られた厚みある板材で、国産材を利用し国内の森林環境を生かしたCO2の発生を抑えた材料になります。また、材料自身も100年は保つと言われ、建て直し時にでも材料は再利用でき、環境に非常に配慮されたものとなります。

大匠建設は環境を生かし、エコに対する取り組みから今回福岡県で初めての環境に配慮した社屋を建てるようにしました。


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